20代の男女はどんな生命保険に入るべきか(独身の人向け)

若いうちは保険なんて入らなくて良いという人も多くいますが、その考え方は間違えています。保険は何かあってからでは入れませんので、問題が起きる前に検討が必要です。

この記事では20代の男女ならどんな保険に加入すべきかについて解説します。

FP横山

検討するのは早いに越したことはありません。

20代の生命保険加入率

生命保険文化センターのデータによれば、20代の生命保険加入率は男性が58.2%、女性が53.2%となっています。

生命保険加入率

20代で保険に加入している人は、親が掛けてくれた保険にそのまま入っているだけということも多いのではないでしょうか。しかし、保険について正しい認識を持っている人は少ないので、その保険が必要十分なものである確率は低いと思います。

そのため、必要な保険とは何なのかということをはっきりさせ、現時点で加入している保険の見直しを行うのがおすすめです。

プロが見ると、親がかけてくれた保険だけで十分というケースは少ないはずです。

掛け捨て保険と貯蓄型保険、どっちを選ぶべき?

保険は大きく分けて、掛け捨ての保険と貯蓄型の保険の2種類があります。保険を選ぶうえではこれらの違いをよく理解しておくことは大事です。そのため、両者の違いを詳しく説明します。

それぞれのメリット・デメリット

保障を得る目的で保険を利用する場合は保険料の安い掛け捨ての保険で十分です。資産運用をしたい場合や掛け捨てになるのがイヤなら貯蓄型の保険を使うことが必要です。

両者の違いを表にすると次のとおりです。

掛け捨ての保険貯蓄型の保険
保険料安い高い
解約したとき原則として戻るお金はない原則として戻るお金がある
満期をむかえたときお金は戻らないお金が戻る

いずれにもメリットとデメリットがあるので、目的に合わせて使い分けることが大事です。

貯蓄型保険には中途解約リスクがある

保険料が掛け捨てになるのがもったいないという理由で貯蓄型の保険を選ぶ人もいます。これは間違いではありませんが、保険料分のお金が拘束されますし、中途解約リスクを負っている点に注意してください。

以下の図は30歳の男性が終身保険「ライズ」という保険に加入した例ですが、60歳の時点で解約すれば、払い込んだ保険料に対して109.9%の解約返戻金を受け取ることができます。しかし、60歳までの間に解約してしまうと、払い込んだ保険料の合計額よりも少ないお金しか戻りません。これが中途解約のリスクです。

戻るお金が払った保険料の総額よりも少なくても、その間に保障を得ているので厳密には損をしたとは言えませんが、このようなリスクがあることを理解して活用しましょう。

安易に貯蓄型を選ぶと、いざお金が必要になっても解約しづらくなるので気をつけてください。

目的からみる生命保険の必要性

保険に加入するときは目的をはっきりさせましょう。ここでは保険を目的別の視点から解説します。

葬式代の準備

保険の相談を保険屋さんにすると、葬式代を準備するために終身保険に入りましょうと言われることがよくあります。終身保険は保険期間が一生涯にわたる貯蓄型の死亡保険で、たとえば200万円で契約すれば、いつ死亡しても必ず200万円を受け取ることができます。

しかし、葬式代が200万円もかかるとは限りません。最低限の整理だけで済ませるなら、20万円程度で何とかなるでしょう。それなら貯蓄でもまかなうことができるでしょうから、保険で備えなければいけないわけではありません。

詳しくは以下の記事で書いています。保険に加入する前に、まずは今のお葬式事情について学んでください。

終身保険で葬式代を準備する前に、葬式代を安くすることを考えるのが先

病気やケガに備える

病気やケガに備える保険については、治療費の支出に備えるという点と、仕事を長い間、休まざるを得ない場合の収入減少に備えるという点の2つがあります。

医療保険

医療保険は、入院したときに保険金(給付金)を受け取ることができる保険です。

健康保険には高額療養費制度というものがあり、たとえ入院しても、短期間ならそれほど高額な費用はかかりません。強いていえば、20万円くらいの貯金を用意できれば、それでまかなえることが大半です。高額療養費制度については以下の記事をご覧ください。

高額療養費制度について必ず知っておきたい知識のまとめ

そのため、医療保険は不要だという専門家(特にファイナンシャルプランナー)も多くいるのですが、説明としてはやや弱いです。

病気の種類によっては医療保険が効果を発揮することもあり、何の役にも立たない保険だとは言えません。

しかし、医療保険に入っていた方が良かったという結果になる確率は非常に低く、貯蓄できちんと備えていれば、無理に加入する保険ではないといえます。

がん保険

がん保険は、がんにかかったときに保険金がもらえる保険です。

国立がん研究センターのデータによりますと、20代の人ががんにかかる確率は男性が0.2%、女性が0.4%です。確率はそれほど高くありませんが、若いうちに進行したがんが発見されたときは、何がなんでも治したいと考えるものです。そのときは、健康保険が使えない治療法も試してみたいと考える人が多くいます。

しかし、金銭的な理由で断念することが多いというのが現状です。そんなとき、がん保険が役立つ可能性があります。がん保険については以下の記事で解説していますので、この機会によく考えてみてください。

就業不能保険(所得補償保険)

就業不能保険(所得補償保険)とは、病気やケガで働くことができないときの収入減少を補うための保険です。

ただし、サラリーマンや公務員などの場合、健康保険から傷病手当金というお金をもらうことができます。

傷病手当金はおおまかに言って給料の2/3程度の金額を最長で1年6カ月間、受け取ることのできる制度です。そのため、サラリーマンや公務員であれば、よほどのことがない限りは所得補償保険を必要としているとは言えません。

自営業者であれば、自分がいないと回らないという商売をしているなら検討してもいいでしょう。

ただし、働くことができない状態になったらすぐに保険金を受け取ることができるわけではなく、60日~半年程度の期間が経過してからでないと保険金を受け取れない商品が多いので注意してください。

老後の準備

保険で老後の準備をするのであれば、通常は個人年金保険を考えるでしょう。

個人年金保険は保険ではありますが、ほぼ貯蓄に近い性質の商品です。保険料の払い込みが終わった後、死亡するまでずっと年金が受け取れるなら良いですが、実際は年金を受け取れる期間に限りがある商品が大半だからです。

また、個人年金保険は契約時の利率(予定利率と言います)が固定されてしまう商品が多く、その後の金利上昇やインフレに対応できない弱点があります。

所得税や住民税の優遇措置(生命保険料控除)を受けることができるので、メリットがない商品ではないのですが、積極的におすすめするものでもありません。

それなら、iDeCo(イデコ:年金を自助努力で準備するための国の制度)を活用し、安全性の高い商品に投資して準備する方が良いでしょう。
参考:iDeCo公式サイト

資産運用

保険で資産運用をする場合、メリットは次の2点です。

  • 保険会社による運用益が得られる
  • 所得税や住民税の優遇措置(生命保険料控除)が受けられる

資産運用目的で使える保険は貯蓄型の保険です。たとえば終身保険や養老保険、学資保険、変額保険などです。

貯蓄型保険を活用すると、保険会社が「予定利率」という形で利回りを約束してくれます(想定される利回りは保険料に反映されます)。その結果、保険料として払ったお金が増えて戻ってくるわけです。

しかし、加入してから一定の期間(商品によってかなり開きがあります)内に解約すると、払い込んだ保険料よりも少ないお金しか戻らず、損をしてしまうというリスクがあります。

おわりに

いろいろな種類の保険がありますが、私が20代の人にぜひ入っておいてほしいと思うのはがん保険です。

20代はまだがんにかかる確率は低いのですが、がん保険に入っていれば救われたのではないかと思うケースが多いからです。20代なら月数百円程度の保険料で加入できる商品もあります。

なお、保険を選ぶときは必ず比較してください。比較がしやすいのは保険ショップのような乗合代理店なので、保険の相談が気軽にできる保険ショップを1つもっておくと便利ですよ。