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先進医療特約は必要とは言えないが、おすすめな特約

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医療保険やがん保険に加入している、あるいは加入を検討しているのであれば、先進医療特約は付けておくべきです。この記事ではその理由について説明します。

先進医療特約の必要性

先進医療特約に加入していない場合の例

先進医療を受けた場合、健康保険が使えませんので基本的に費用は自費扱いとなります。ただし、一般診療と共通する費用(診察、投薬など)については健康保険が使えるので3割負担となります。

この図では、先進医療の費用の総額は100万円ですが、うち80万円については一般診療と共通する内容なので、健康保険が適用されるということが読み取れます。

また、このケースでは高額療養費制度も使えますので、実際にみなさんが負担する金額は次のように計算します(所得区分ウの場合)。

200,000円+80,100円+(800,000円-267,100円)×1%=284,529円

高額療養費制度についてはこちらのサイトを参考にしてください。
参考:協会けんぽウェブサイト

実際は、高額な費用が発生する先進医療の場合、健康保険が使えない部分の割合が高いため、先進医療を受ける時はそれなりの負担を覚悟しておいた方が良いでしょう。

先進医療特約に加入している場合の例

先進医療特約で保障してくれる費用は、技術料と呼ばれる部分です。先に引用した図では、以下の部分です。全額ではないという点が大事なポイントです。

もし、これと同じ先進医療を受けた人が先進医療特約に加入していた場合、実際の負担額は次のようになります。

80,100円+(800,000円-267,100円)×1%=84,529円

このケースでは、先進医療特約に加入していたことによって、技術料の20万円が全額、保険会社負担になったわけです。当然、他の費用も保険でまかなうことができますので、実際の負担はほとんどないでしょう。

ずばり、先進医療特約は必要か

先進医療特約が必要かと聞かれれば、必ずしも必要とは言えません。

特にここで例示したケースではわずか20万円なので、先進医療特約をつけていなければまかなえなかった費用とは言えないでしょう。

ただし、技術料が300万円を超えるような治療法もあります。神奈川県立がんセンターのウェブサイトで分かりやすい例が出ていますので、ぜひご覧ください。
参考:神奈川県立がんセンターウェブサイト

万が一の時に300万円くらいの費用が捻出できるのであれば、先進医療特約をつけておかなくても構いません。

しかし、医療保険やがん保険に入るのであれば、つけておくことをおすすめします。すでにこれらの保険に加入していてつけていないのであれば、追加でつける(中途付加)ことを検討してみてください。中途付加はできないこともありますので、加入している保険会社に確認しないと分かりません。

先進医療特約は保険料が月額80円~100円程度と安いので、費用対効果という意味で十分に割に合います。そのため、私は医療保険やがん保険に加入するなら先進医療特約をつけることをおすすめしているのです。

先進医療特約を比較するポイント

  • 保険金額
  • 保険金額については、通算で2,000万円を上限としているものが多くなっています。

    また、複数種類の給付金を支払うタイプもあります。例を挙げますと、住友生命の「新先進医療特約」では、「先進医療給付金」のほか、「先進医療保障充実給付金」という2種類の給付金を受け取ることができます。
    参考:住友生命ウェブサイト

    名目については特に関係ありませんので、先進医療を受けることになった時、総額でいくら受け取れるのかという点で判断してください。

    なお、先進医療の中で最も高額になる可能性があるのが「重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病に対する脳死ドナー又は心停止ドナーからの膵島移植」(第3項先進医療【先進医療B】7番)ではないかと思います。

    こちらの先進医療を実施している医療機関のホームページを見ますと、約1,200万円の費用がかかると書かれています。
    参考:東北大学病院ウェブサイト

    しかし、普通の人が使う可能性が治療法は、せいぜい重粒子線治療や陽子線治療くらいまでなので、高くても300万円くらいの保険金が受け取れるなら十分ではないかと言えます。

    ただし、これらの治療法も複数回、受ける可能性がありますので、そういう心配もあるなら2,000万円になっているものを選びましょう。

  • 保険料
  • 保険料については、医療保険につける場合は月100円程度、がん保険につける場合は80円程度とみておけば良いです。各社で大差ありませんので、保険料は気にしなくても良いです。

  • 直接支払い制度があるかどうか
  • 病院へ支払う医療費は通常、自分で負担してから保険会社に請求して受け取るという手順を踏みます。

    しかし、高額な技術料が発生する先進医療を受ける場合、その費用を一時的とはいえ支払うのが困難ということもあります。

    そんな時のために、多くの保険会社では「直接支払い制度」というものを設けています。これが出来ない保険会社の方が今は少ないと思いますが、加入する前に確認してみるのがおすすめです。

先進医療保障のみで加入できる保険もある

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命が販売している「Linkx coins(リンククロスコインズ)」は、先進医療保障のみで加入することができます。保険料は月に500円で、通算2,000万円まで保障してくれます。
参考:リンククロスコインズ|損保ジャパン日本興亜ひまわり生命

「Linkx coins」の特徴は、先進医療だけでなく臓器移植も保障している点です。保障されるのは心臓・肺・肝臓・膵臓・小腸・腎臓の移植術を受けた時です。

臓器移植は年間の実施件数が300件程度でそれほど多くなく、その費用も基本的に健康保険が使えますのでそれほど高額な負担にはなりません。
日本臓器移植ネットワークウェブサイト

健康保険が使えない費用もありますが、これらをカバーする公的な補償制度もあり、それほど心配はいらないと言えます。

そのため、移植術を受けた時は1,000万円を受け取れるので、いわゆる焼け太りみたいな結果になるのではないかと思います。

しかし、実際に臓器移植を受けるような状態になっている場合、それまで色々とお金がかかっているでしょうし、その後も何かと出費がかさむのではないかという気がします。そこを考えると、この保険に入るメリットもなくはないと思います。

医療保険やがん保険に加入する気はないけど、先進医療特約は気になるという方は検討してみる価値はありますよ。

先進医療特約に重複加入はできるか

医療保険とがん保険を別々の保険会社で加入している場合、そのそれぞれに先進医療特約をつけることができます。つまり重複加入ですね。

このような状態で実際に先進医療を受けた場合、両方の保険会社から給付金を受け取ることができるのです。例えば重粒子線治療を受けて300万円の技術料が発生した場合、受け取れる給付金は600万円ということです。

先進医療特約から給付金を受け取っても、治療にかかるすべての負担がカバーできないので、それを補うためにこのような方法を考える方がいますが、個人的にはあまりおすすめしません。

それよりも、医療保険の解約を検討したり、新しい商品に入り直して保険料を浮かせ、その分を保険で対応できない費用のためのコツコツ貯蓄するのが良いです。

まとめ

先進医療特約が絶対に必要かと言われれば、必ずしもそうとは言えません。

例えばあなたが現時点で末期の病気と診断され、保険診療での治療は困難という診断を受けました。先進医療を受ければ治療できる可能性があると医師から言われたものの、費用は1,200万円と告げられました。

こんな時、あなたが買ったばかりのマンションを手放してお金を工面したり、そもそも十分な貯蓄があるなら、先進医療特約なんて加入しなくても大丈夫なのです。

でも、なかなか現実には難しいということがありますよね。保険とはこんな時のためにあるものなのです。

先進医療の中身は入れ替わる可能性があるので、今後、特定の病気に有望な治療法が対象になる可能性もあります。そうしたことは予測できませんし、年齢を重ねてからでは加入できなくなるので、入れるうちに入っておくのが良いです。

単体で加入すべきかどうかは微妙ですが、医療保険やがん保険に加入しているのであれば、つけておくのがおすすめです。思わぬ時に威力を発揮するかもしれませんよ。

  • この記事を書いた人

横山 拓哉(FPライター&ブロガー)

FP(ファイナンシャルプランナー)として保険屋をしていましたが、医療保険不要論に悩まされ、1本も保険を販売することなく1年で辞めました。プロフィールや料金表(ライター)はこちらに掲載しています。

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