がん保険はいつから加入し、いつまで加入すべきか

がん保険に興味があっても、保険料を払わなければならないので加入をためらっているという人もいるのではないでしょうか。そこで、この記事ではがん保険にはいつ入るべきなのか、合わせていつまで加入すべきなのか解説します。

FP横山

どうせ加入するなら早いほうがいいです。

まずはがんにかかる確率を知っておこう

がん保険に加入すべきかどうかを考えるうえでは、まずはがんにかかる確率を知ることが必要です。

国立がん研究センター がん情報サービスのデータによると、年齢ごとのがん罹患率は以下のとおりです。

現在年齢別がん罹患リスク2011男性

現在年齢別がん罹患リスク22011女性

表の見方は簡単です。たとえば、20歳の男性が30歳になるまでの間にがんにかかる確率は0.2%、40歳になるまでの間なら0.8%です。40歳の女性が50歳になるまでなら3%、60歳までなら9%です。そして、生涯では男性が62%、女性が47%の確率でがんにかかります。

40歳になるまでの確率は男性が1%、女性が2%なので、40歳になってから加入するくらいでいいやと考える人もいるでしょう。しかし、がんの治療費を捻出できるだけの貯蓄がないのであれば、基本的にはなるべく早くがん保険に入っておくことがおすすめです。

がん保険はいつから入る? なるべく早く加入するべき5つの理由

がんの治療費に備える場合、貯蓄が十分にあるならがん保険への加入は必ずしも必要ではありません。しかし、がん保険に入るならなるべく早く加入すべきと考えます。その理由は次のとおりです。

確率は低いが、若くてもがんになる人は確実にいる。そして予測ができない

前項で見たとおり、若くてもがんにかかる人は確実にいます。20代なら1%にも満たないので可能性は低いですが、決してあり得ない確率でもないでしょう。

私はがん闘病記をたくさん読みましたが、その多くに共通して出てくるのが「まさか私が……」という言葉です。これはよく覚えておいてください。

確率が低いものは無視するというのも1つの考え方ですが、保険に入る以上、想定外の事態に備えてこそ価値があると言えます。

病気になると加入できなくなる

がん保険に限りませんが、保険は健康状態が悪いと加入できなかったり、加入に制限(給付金が減る、保険料が高くなるなど)がついたりすることがあります。

がん保険は死亡保険や医療保険と比べれば加入しやすいですが、それでも健康診断や人間ドックで異常を指摘されると告知で引っかかることがあります。そのため、若いほうが加入しやすいです。

たとえば、オリックス生命のがん保険「ビリーブ」に加入する場合の告知事項は以下のとおりです。

  • 今までに、がんまたは上皮内新生物にかかったことがありますか。
  • 最近3か月以内に、別表1の病気または病状で、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかを受けたことがありますか。
  • 過去2年以内に、健康診断・人間ドックをうけて、別表2の検査結果の異常(要再検査・要精密検査・要治療)を指摘されたことがありますか。

年をとると健康診断で異常を指摘されることは珍しくなくなります(経験から笑)。そのため、思い立ったら早いほうがいいということです。

治療費が高額になることがあり、貯蓄より保険が有効な場合がある

がんは中耳炎や腸閉塞のようなごく普通の病気と違い、治療費が高額になることがあります。しかし、適切な保険に入っていれば、治療費が高額になっても保険金でまかなうことができます。

中耳炎や腸閉塞のようなごくありふれた病気での入院なら、それほど治療費は高額になりません。一般的な所得であれば、高額療養費制度(※)を利用すれば10万円程度の費用で済んでしまうことが多いからです。

しかし、自由診療は健康保険が使えませんし、治療が長引いて月2~3万円程度の負担が続くということもあります。そのため、がんの備えは別に考える必要があります。

※高額療養費制度については以下の記事をご覧ください。

医療保険やがん保険の加入を検討する前に、必ず知っておくべき高額療養費制度について

若いうちに加入したほうが、保険料の総額が安い

早く保険に加入すればそれだけ長い間保険料を支払うので、総額で損をするように感じるかもしれません。

しかし、保険料を試算してみると、総額でも若いうちに加入したほうが得になります。

たとえば、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命のがん保険「勇気のお守り」に加入した場合の保険料をホームページで試算してみましょう。
参考:勇気のお守り|損保ジャパン日本興亜ひまわり生命

同じ条件で年齢だけ変えて試算した結果、80歳で解約する場合の保険料総額は以下のとおりです(男性、保険料終身払、入院給付金日額1万円)。20歳で加入するのが一番、保険料の総額も安くなっています。

加入年齢月額保険料80歳までの保険料総額
20歳2,793円2,010,960円
30歳3,633円2,179,800円
40歳4,923円2,363,040円
50歳7,182円2,585,520円
60歳10,409円2,498,160円

また、アクサダイレクト生命で試算した場合もほぼ同様の結果になりました(男性、保険料終身払、入院給付金日額1万円、上皮内新生物も対象)。
参考:アクサダイレクトのがん終身|アクサダイレクト生命

加入年齢月額保険料80歳までの保険料総額
20歳1,190円856,800円
30歳1,710円1,026,000円
40歳2,550円1,224,000円
50歳3,860円1,389,600円
60歳5,760円1,382,400円

がん保険は加入後、90日間は保障されない

がん保険は、契約してもすぐに保険会社が保険金の支払義務を負うわけではありません。

保険会社がいつから保険金支払の義務を負うのかというと、告知日または第1回保険料払込日のいずれか遅い日から90日を経過した日の翌日です。これを「待ち期間」とか「免責期間」といいます。

がんの場合は本人が「がんかもしれない」と考えて加入を申し込む可能性があるため、その90日を様子見の期間として設定しています。また、昔はがんの告知がなされないことが多く、本人が知らずに申し込んでいることがあったこともその理由です。

がんは初期だと自覚症状がなく、「もう少し早く申し込んでいれば保険金がもらえたのに」ということがあるかもしれません。そのため、加入の意思があるならいつから加入すべきかと考えず、早めに検討したほうが良いでしょう。

がん保険はいつまで加入すべきか

がんの治療費については、200万円以内におさまることが全体のおよそ8割です。この点については以下の記事をご覧ください。

がん保険に診断一時金のみで加入するならいくら? 200万円がおすすめ

がんという病気の特徴は、再発や転移の可能性があるということです。せっかく治療を終えても再発するリスクがあるので、再発や転移したときの治療費を想定しておく必要があります。

予想される費用を貯蓄でまかなうことができるようになったのであれば、がん保険は解約してしまっても良いでしょう。

ただ、不幸にも再発し、総額で高額な治療費がかかる場合は保険に入っていたほうが得ということも出てきます。

標準治療のみを利用するのであれば、貯蓄があれば対応できるケースも多いと思われます。しかし、再発・転移の可能性を想定し、払った保険料を超える給付金を受け取れるようにしておきたいならそのまま加入し続けるのが良いということになります。

また、自由診療も保障されるタイプのがん保険に加入している場合は、自由診療をいつまでも保障してほしいなら加入し続けるべきということになります。

おわりに

がんはかかる確率がとても高い病気なので、誰しも備えを考えておく必要があります。

がんは再発や転移があるというのが他の病気と違う特徴です。再発に対応するタイプのがん保険なら、保険としての機能を十分に発揮してくれるでしょう。

ただし、終身でがん保険に加入する場合は保険料もそれなりに払うことになりますし、診断一時金を2回以上支払う商品は条件が各社で異なるので、商品や保障内容の選び方には十分、注意してください。