賃貸住宅の火災保険を他社商品に切り替えてみた

私は40代後半(独身)ですが、賃貸派なので、今も賃貸住宅で暮らしています。

火災保険(家財の保険)については契約時に不動産会社から指定されたものに加入していましたが、保険料が高いので他社商品に切り替えをしました。

この記事ではその体験談をお話しします。

賃貸住宅の火災保険はムダが多い

まず、賃貸住宅の火災保険にムダが生じやすい理由について、基本的なところから解説します。

賃貸住宅の火災保険の基礎知識

賃貸住宅の火災保険は持ち家の火災保険と違い、通常は以下の3つの補償で構成されています。

  • 家財に対する火災などの補償
  • 借家人賠償責任保険
  • 個人賠償責任保険

賃貸住宅の入居者が加入する火災など(火災以外の補償については後述します)の補償は、あくまでも自分の持ち物(家財)だけが対象です。建物の補償については大家さんが加入しています。

借家人賠償責任保険は偶然の事故によって建物に損害を与えた場合に「原状回復義務」を果たすために加入するものです。また、個人賠償責任保険は他の入居者に損害を与えた場合に保険金がおりる保険です。この3点セットが基本です。

ムダが生じやすい理由

賃貸住宅に入居するときは不動産会社が勧めてきた保険に加入するのが一般的です。しかし、それでは保険料をムダに多く払うことになるケースが多いというのが実態です。

その理由は主に以下の2点です。

  • 家財の保険金額が過大になっている
  • 補償範囲が広い

家財が100万円しかないのに300万円の保険に加入している場合、仮に家が全焼しても300万円を受け取れるわけではありません(この状態を「超過保険」と言います)。また、マンションの高層階に住んでいるのに水災の補償がついていても実際に使うことはないでしょう。

こうしたムダが多いので、必要以上に高い保険料を払わされていることが多いのです。

家財の保険金額はなぜ高くなるのか

家財の保険金額は自宅にあるタンスや机、洋服などの家財を1つ1つ新たに購入したらいくらかかるかを見積もり、その金額を合計して決めるのが基本です。

ところが、実際はその説明をせず、以下のような簡易表を元に決めさせているということが多いです。

例えば25歳前後・大人2名の場合は490万円となっています。しかし、株式や投資信託などの金融商品は補償の対象に入らないので、補償の対象とすべき家財の合計はそれほど高額にならないことのほうが多いのではないでしょうか。

なお、預金については対象になりますが、火災が原因で通帳やキャッシュカードがなくなっても預金そのものがなくなるわけではありませんので補償してもらう必要はありません(ただし、後述する盗難の補償については少し気をつける必要があります)。

補償範囲を選べる商品もある

火災保険では以下のようなトラブルが補償されますが、その範囲をどこまで自由に選べるかは商品によって違います。補償される範囲が広ければ当然、保険料は高くなります。

  • 火災、落雷、破裂・爆発
  • 風災、雹(ひょう)災、雪災
  • 水災
  • 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突など
  • 水濡れ
  • 騒じょう・集団行動等に伴う暴力行為
  • 盗難
  • 破損・汚損

建物の2階以上に住んでいれば水災の被害に遭う可能性は低いので、補償してもらわなくても良いはずです。盗難や破損・汚損の補償を不要と考える人もいるでしょう。

なお、盗難の被害に遭って預金通帳と銀行届出印を一緒に盗まれた場合、犯人が窓口で現金で受け取ろうとすると盗まれる可能性もないとは言えません。

銀行の窓口では犯罪収益移転防止法によって、200万円を超える引き出しでは本人確認(「取引時確認」と言います)の義務がありますが、裏を返すと200万円以下なら本人確認されないので盗まれる可能性があるとも言えます(振込は10万円を超えれば本人確認が必要です)。

ただ、200万円以下でも本人確認をしないとは限りませんし、通帳と銀行届出印を別々に保管しておけば、一緒に盗まれる可能性はかなり低くなるはずです。

私は別々に保管したうえで、さらにそれっぽい印鑑を通帳の近くに置いておくことで、そちらを盗ませて泥棒の目を欺くことにしています。これなら別の箇所に本当の銀行届出印が隠してあるとは考えないはずです。

さらに、通帳を使っていないのであれば、通帳を破棄してしまえば盗まれる心配そのものがなくなります。あまり推奨できる方法ではありませんが、こうした方法でも盗難対策ができるのではないでしょうか。

私はどのように保険会社を変更したのか

私が今の住宅を契約したときに不動産会社が勧めてきた商品はChubb損保の「リビングプロテクト総合保険」でした。この商品には以下の2つのプランしかなく、保険金額も自由に決められません。実に大雑把な商品です。

賃貸住宅にしては少し広めの物件だったからか、なぜか不動産会社は単身者である私にファミリー向けプランの加入を勧めてきました。その結果、不動産会社独自の保障も加え、毎月の保険料は1410円になりました。

もちろん納得がいかなかったのですが、契約時にあれこれ言うと入居を拒まれる可能性があると考えていたので、あとで契約を変更するつもりでとりあえず契約したのです。

それで、入居してから4ヵ月後に保険会社から保険料の実質値上げの予告がありました。値上げ幅はたいしたことはありませんでしたが、もともと納得がいかない契約だったので保険の見直しを行ったというわけです。

ネットで商品を探した結果、私は損保ジャパン日本興亜「THE 家財の保険」を選びました。

賃貸住宅向けの火災保険は自由に保険金額や補償範囲を選べないことが多いのですが、「THE 家財の保険」はかなり自由に選べます。

プランについては以下のとおり6種類もあります。私は「ベーシック(Ⅱ型)水災なし」プランを選びました。

家財の保険金額は高めに設定されている商品が多いですが、「THE 家財の保険」は10万円から加入が可能です(もっと少なくすることもできるかもしれません)。

保険料の多くは家財の補償で占められているはずなので、ここを必要最小限にすれば保険料は安くなります。また、画像の右端にある「自己負担額」を設定するとさらに安くなります。

我が家には高価な家財がないので、保険金額は50万円におさえました。水災や破損・汚損の補償を外し、自己負担額なし、2年一括払いという条件にしたところ、年間の保険料は1万2000円から7180円まで下がりました。

注意
この保険は、水災については30%超の損害が生じないと保険金を受け取れません。ただし、他社でも同様の補償が多いのではないかと思います。

保険料を安くするポイント

賃貸住宅の火災保険の保険料を安くするポイントをまとめると、以下のとおりです。

  • 補償範囲を狭める
  • 保険金額を減らす
  • 自己負担額を設定する
  • 保険会社やプランを変える

火災保険については基本的に入居者が自由に選べるはずです(100%かどうかは分かりません)。そのため、保険料が高いと感じたら変更を検討してみるのがおすすめです。

ただし、借家人賠償責任保険や個人賠償責任保険の保険金額は自由に決められないと思ったほうがいいです。もし、どうしても金額を下げたいなら不動産会社と交渉してみてください。

家財の保険金額は完全に自分自身の問題なので、保険会社で設定可能な範囲で自由に決められます。ただし、商品ごとに下限があり、Chubb損保のリビングプロテクト総合保険の場合はプランが2つしかありませんので、最低が単身者向けプランの342万円ということになります。

保険料の試算ができるシミュレーションを用意している保険会社も多いですが、保険料だけを基準にして選ばないように注意してください。保険料の安い商品は補償の範囲が狭くなっていることが多いからです。

おわりに

代理店の方に話を聞いたところ、賃貸住宅の火災保険を変更する人はあまりいないそうです。でもそれは、おそらく火災保険についての知識がないからでしょう。

しかし、不動産会社の言うがままに加入してしまうとムダな保険料を払い続けることになりかねないので、賃貸住宅に住んでいるなら一度は検討してみるべきです。

「THE 家財の保険」は自由度が高くておすすめなので、保険会社を変えたい場合は検討してみてください。