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医療保険の選び方【20代・30代向け】

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医療保険の選び方についてはさまざまな意見があり、人によって言うことが違っているというのが現実です。そこでこの記事では、医療保険に加入したいと考える人に対し、私ならどのようにアドバイスするかまとめました。

保険期間は定期か終身か

私は終身で加入し、不要になったら解約することをおすすめします。

医療費の保障は生涯、欲しいと思う人が多いのではないでしょうか。しかし、私は生涯の医療費を医療保険で確保することが最善と考えていません。医療保険は入院しか保障の対象となりませんし、通院で高額な医療費がかかることもあるからです。

また、受け取れる保険金も火災保険や自動車保険の対人賠償保険のような高額になるわけではないので、費用対効果が悪いです。貯蓄がしっかりできていれば、医療保険に入っていなくても入院費用はまかなうことができます。

そのため、終身で加入しておいて、不要になったら解約するという前提で加入するのがおすすめです。

1日あたりの入院給付金はいくらにすべき?

1日あたりの入院費用はいくらかかる?

入院給付金については、私は1日あたり5,000円程度にすることをおすすめします。

入院給付金の日額は、入院すると1日あたりいくらかかるのかという点から考えれば良いですが、これは単純計算ができません。なぜなら高額療養費制度があるので、1日あたりの入院費用が日数に比例しないことが多いからです。例を挙げて解説してみます。

【例1】7日間入院し、医療費の総額(病院ベース)が40万円の場合

80,100円+(400,000円-267,000円)×1%=81,430円
81,430円÷7日≒11,632円

【例2】30日間入院し、医療費の総額が100万円の場合

80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円
87,430円÷30日≒2,914円

※70歳未満、区分ウで計算しています。

1日あたりの費用は、入院期間が短い方が高くなっていますよね。医療費が高くなるのは手術を受けたときが多いので、こういうお金のかかり方になります。

あと、これに雑費(テレビ代、身の回り品の購入費など)や差額ベッド代(使用したときのみ)が上乗せされて、1日あたりの入院費用が決まります。

差額ベッド代はいくらかかる?

厚生労働省のデータによれば、差額ベッド代の相場は以下のとおりです。安ければ1日あたり1,000円以下で、高いと10万円を超えます。4人部屋なら2,000円以内におさまることが大半です。

なお、差額ベッド代は病院の都合(大部屋に空きがない、治療上の都合で個室にせざるを得ない場合など)なら請求されても払う必要はありませんので、必ず覚えておいてください。そのときに備えて、以下の記事も読んでおきましょう。
参考:差額ベッド(特別療養環境室)について|埼玉県公式サイト

病院も経営が苦しいところが多いので、さも支払うのが当たり前のように言ってくる可能性があります。同意書にサインしてしまうと後からくつがえすのが困難になるので、最初から同意しないことが大事です。

気にするべきなのは長期の入院

1日あたりの入院給付金を決めるときに気にするべきなのは本来、長期の入院をしたときです。

【例】90日間入院し、1カ月目は150万円、2カ月目と3カ月目は50万円の医療費が発生した場合

1ヶ月目:80,100円+(1,500,000円-267,000円)×1%=92,430円 1日あたり3,081円
2カ月目と3ヶ月目:80,100円+(500,000円-267,000円)×1%=82,430円 1日あたり2,747円

これに雑費を上乗せして、1日あたり5,000円くらいの給付金を受け取れたら助かるのではないでしょうか。5,000円では足りないこともあるでしょうが、入院費用のすべてを医療保険でまかなわなければいけないわけではありません。足りない分は貯蓄で補えばよいのです。

保険に頼りすぎるのを防ぐ意味合いも含め、私は医療保険に加入するなら1日5,000円程度にしておくのが良いと考えています。医療費の備えは保険だけに頼るのではなく、貯蓄も活用することが大事です。

若くて貯蓄がなく、入院すると10万円~20万円程度の出費でも困る状況なら、月1,000円程度の保険料で加入できる最低限の医療保険に入っておくのも1つの方法です。

1回の入院(1入院)あたりの保障日数

1入院あたりの保障日数の種類

1回の入院あたりの保障(限度)日数は、60日または120日をおすすめします。

1回の入院あたりの限度日数は一般的な60日や120日だけでなく、180日、365日、730日、1095日のような長期の入院を保障する商品もあります(365日以上の保障についてはホームページやパンフレットに記載されておらず、代理店で相談すると加入できることがあります)。なお、トータルでの限度日数は別に設けられていて、一般的には730日か1095日のいずれかです。

本当の意味で保険として機能させるなら365日以上の長い保障にしておくのがおすすめですが、保険料が高くなりますし、そうした長い保障が役立つ可能性を低いことを考慮すると、費用対効果が合わないというのが私の印象です。

入院日数のデータ

ところで、病気にかかるとどのくらい入院するのでしょうか。厚生労働省は、次のようなデータを公開しています。

ざっと見て、精神及び行動の障害と神経系の疾患を除けばそれほど長くないという印象をもったのではないでしょうか。しかし、このデータを見るうえで、間違えてはいけない点があります。それは次の2点です。

  • このデータはあくまで平均値であり、異常値も含まれていること
  • 保険で備えるのは日数が長くなったときであり、平均が少ないから保障日数は少なくて良いということではない

たとえば精神疾患の場合、年単位で入院する人もいるので平均日数が長くなるようです。実際は、普通の入院(うつ病や統合失調症など)なら長くても1回の入院で3カ月程度ではないかと思います。

多くの人が長期入院する可能性がある病気は、脳卒中です。脳卒中はリハビリに数ヶ月の時間がかかることがあります。

ただし、医療保険の入院給付金は、治療を目的とした医療機関での入院でないと支払われません。その入院が機能回復目的であったり、リハビリ施設での入院(入所)であれば入院給付金を受け取れない可能性が高いです。そのため、1入院あたりの保障日数が長くても役立たない可能性があります。

以上から、1回の入院で保障される日数は基本的に60日で良いと考えますが、心配なら120日にしても良いでしょう。

保険料の払込期間

保険料の払込期間は、終身払いをおすすめします。

保険料の払い方は、保険期間にわたってずっと払い続ける方法もあれば(終身払い)、60歳払済のようにある程度の年齢で払い終えるタイプもあります。

短期間で払う方が保険料の総額は安くなりますが、不要になったら解約するつもりで加入するなら、終身払いの月払いにしておくのがおすすめです。その方が毎月の保険料が安いからです。

特約について

医療保険にはさまざまな特約をつけることができます。たくさんつければ安心という印象もあるでしょうが、安易につけると保険料もその分、上がります。ここではそれぞれの特約について、その必要性について解説します。

三大疾病特約は必要か

保障内容によってはつけても良い

三大疾病特約は保障内容により、つけても良いです。

三大疾病とは、がん、急性心筋梗塞、脳卒中を指します。これらは三大死因でもありますので、備えを考えておくことは大事です。

そして、いわゆる三大疾病特約には次の3つのタイプがあります。

  • 一時金を支払うもの
  • 1入院あたりの限度日数を無制限にするもの
  • 以降の保険料を免除するもの

急性心筋梗塞は重い病気ですが、高額療養費制度がうまく機能するので高額な自己負担は生じないです。しかし、がんや脳卒中はまとまったお金がかかる可能性があります。そのときに備えて一時金が出るように入っておくのは合理的です。

ただし特約は、主契約である医療保険を解約すると一緒になくなってしまいます。三大疾病のみを保障する保険もありますので、そちらを検討しても良いでしょう。

保険金の支払い条件に注意!

三大疾病特約の中には、急性心筋梗塞と脳卒中の場合、罹患して60日以上、労働の制限を受ける場合のみ保険金を支払うという厳しい条件がついていることがあります。ここは非常に大事なポイントなので、この特約をつけるなら保険金の支払い条件を必ず確認してください。

一例として、日本生命の3大疾病保障保険(特約ではなく単体の保険)を挙げますと、急性心筋梗塞や脳卒中に罹患した場合の保険金支払条件は、約款において次のように書かれています。

初めて医師の診療を受けた日から60日以上労働の制限を必要とする状態が継続したと診断されたとき

そして、労働の制限を必要とする状態については次のように書かれています。

軽い家事等の軽労働や事務等の座業はできるが、それ以上の活動では制限を必要とする状態

引用元:ニッセイみらいのカタチ 約款

また、がんについては上皮内新生物(良性のがんと考えれば良いです)は保障されないことが一般的です。こちらも確認しておきましょう。

がん特約は必要か

がん特約は、がん保険に加入しないならつけても良いです。

私はがん保険の加入をおすすめしているので、がん特約は内容次第でつけても良いと考えています。がんの保障は一時金で備えるのがベストと考えていますので、一時金が出る特約がおすすめです。

なるべくなら、がんの備えはがん保険にすべきですが、一時金のみで加入できるがん保険が少ないので、医療保険に一時金だけつけるというのは選択肢として考えても良いです。

がん保険の選び方については以下の記事で書きましたので、そちらをご覧ください。

参考記事
がん保険の選び方・見直し方

がん保険の選び方や見直し方が分からない理由はずばり、実際にがんになった時、どんなお金のかかり方をするかが分からず、ただ何となく「お金がかかりそう」というイメージだけで選ぶからです。この記事ではがん保険 ...

先進医療特約は必要か

先進医療特約は、がん保険に入っていてそちらでつけている場合を除き、加入しておくことをおすすめします。

先進医療特約の保険料は月に100円くらいと安いので、気になるならつけておいて良いと思います。

先進医療特約については以下の記事でまとめていますので、そちらをご覧ください。

参考記事
先進医療特約は必要とは言えないが、おすすめな特約

医療保険やがん保険に加入している、あるいは加入を検討しているのであれば、先進医療特約は付けておくべきです。この記事ではその理由について説明します。

女性特約は必要か

女性特約はつけなくて良いです。

女性特約は、女性に多い病気の保障を手厚くする特約です。女性に多い病気とは、乳がんや子宮筋腫、卵巣のう腫、帝王切開などです。また、女性特約(女性保険)の特徴として、貯蓄型になっていることも多くあります。

基本的には女性特有の病気だからという理由で治療費が変わるわけではありませんので、この特約は不要です。定期的にボーナスが出る商品は、その分の保険料を上乗せして払っているだけと言っても過言ではありませんので意味はありません。

通院特約は必要か

通院特約はつけなくて良いです。

通院特約で保障される通院は、入院の前後に行われた場合における、その入院に関連した通院です。

しかし、入院前後の通院は日数も多くありませんし、1回の医療費もたいした金額にはなりません。また、受け取れる期間も退院後、120日までなどと定められているのが一般的なので、付けなくても良いでしょう。

がんの通院治療に備えたいのであれば、がん保険に加入するべきです。

まとめ

医療保険は不要だという人も多くいますが(特にファイナンシャルプランナー)、私はそこまで言い切れないと考えています。なぜなら、医療保険に入っていた方が良いケースも実際にあるからです。

ただし、その確率が低いのと、医療費は入院でかかることばかりではないという理由から、加入するなら貯蓄ができるまでにしておくことをおすすめしています。若い人で目先の治療費が用意できない場合や、何となく入っていないと不安という人は加入しても良いでしょう。

医療保険は医療費の備えとして万能な商品ではありません。そのため、医療保険に入っても、それだけで安心してしまわないように気を付けてください。

医療保険は特に商品の種類が多いので、良い商品を探すなら乗合代理店に行って相談するのがベストです。乗合代理店については以下の記事にまとめていますので、参考にしてください。

  • この記事を書いた人

横山 拓哉(FPライター&ブロガー)

FP(ファイナンシャルプランナー)として保険屋をしていましたが、医療保険不要論に悩まされ、1本も保険を販売することなく1年で辞めました。プロフィールや料金表(ライター)はこちらに掲載しています。

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