ジャックス無料プラン(がん保険)を元保険屋が検証してみた

ジャックスカードの会員向けに送られてくる「ジャックス無料プラン(がん保険)」ですが、結論から言えば全く問題ありません。無料プランと有料プラン(追加補償プラン)がありますので、それぞれについて解説しました。

FP横山

こういう形での勧誘は増えています。

カードの会員に送られている保険の案内

私はREXカードの会員なのですが、先日「ジャックス無料プラン(がん保険)」の案内が送られてきました。

保険が無料で加入できるということで警戒している方もいるかもしれませんが、商品としては全く問題ありません。

この保険を運営しているのはジャックスではなく、チャブ保険という保険会社です。チャブ保険は日本ではあまり知名度がありませんが、130年の歴史を持ち、54ヶ国で事業展開を敷いているスイスの保険会社です。

この保険は無料で入れますが、オプション(追加補償)をつけることができます。

無料の部分については保険というほどのものではなく、単なるお見舞金程度のものです。保険期間は1年間のみで、保険金額はわずか3万円です。

保険料が無料なので、入らないよりは入っておいた方が良いことは確かですが、入ることにはあまり意味がないというのが正直なところです。

この商品の狙いは無料部分で関心をひき、有料の契約につなげることであるのは明らかです。

1年経過した後、勝手に有料プランになるということもありませんので、がん保険に限らず保険に入ったことがないという方は、気軽に入ってみても大丈夫です。

追加補償プランはどう?

追加補償プランの内容

ジャックス追加補償プランはライトプラン、バリュープラン、スタンダードプラン、プレミアムプランの4つがあります。それぞれ脳卒中、急性心筋梗塞、重度障害状態になったときの補償で、プランの違いは保険金額の違いのみです。

追加補償プランのメリット

この保険はカード会社の団体保険扱いなので、普通に加入するよりも保険料が安くなっているというメリットがあります。また、一時金のみの補償が得られればいいという方にも向いています。

保険金支払の条件は次のようになっています。

  • がん
  • がんと診断確定された時

  • 急性心筋梗塞と脳卒中
  • それぞれ医師により診断確定され、その治療を目的とする入院を継続して5日以上した時

  • 重度障害
  • ケガまたは病気が原因で重度障害状態となった場合。重度障害とはたとえば両眼の視力を全く永久に失った場合や言語またはそしゃくの機能を全く永久に失った場合などが該当します。

    重度障害については非常に重い状態にならないと支払われませんので、これはないものと考えておいた方がいいです。ただし保険金の支払条件が厳しいということは、保険料もたいしてかかっていないということです。

    急性心筋梗塞や脳卒中ならほぼ間違いなく5日以上は入院すると思います。がんは診断確定されるだけで保険金が受け取れますが、これは他のがん保険でも条件は同じです。

追加補償プランのデメリット(注意点)

追加補償プランには次のような注意点があります。

  • 上皮内新生物の保険金は10%
  • がんと診断確定されると保険金が受け取れるのですが、上皮内新生物の場合は10%のみとなっています(新生物とはがんのことです)。保険金額が100万円でも、受け取れるのは10万円のみということです。

    上皮内新生物とは、初期のがんと考えておいてください。進行がんは悪性新生物と言います。上皮内新生物であれば健康保険が使える治療で治ることが多いので、それほど高額な治療費がかかるわけではありません。普通に貯蓄しておくだけでも対応できます。

  • 5年更新なので保険料は上がる
  • ジャックス追加補償プランは5年更新の保険なので5年ごとに自動更新となり、保険料もその都度上がります。

  • 先進医療特約はつけられない
  • がんの治療においては先進医療特約が役立つ場合が想定されますが、この保険に先進医療特約はつけられません。

    先進医療保険に単独で加入する方法もありますので、詳しくは過去に書いた以下の記事をご覧ください。
    先進医療特約は本当に必要か。FP目線で解説

保険料累計は保険金額を逆転する

保険金額と保険料の累計額をグラフにしてみました。30歳でバリュープランに加入するケースを想定しています。

およそ64歳の時点で保険料の累計額が受け取れる保険金額を超えます。ただし、他の保険と比べれば、この分岐点に到達するのは遅いという印象です。

例えば65歳の時にがんと診断されて100万円を受け取っても、すでに100万円以上のお金を払っているので、実際は何も得をしていないことになります。

そのため、このがん保険はある程度の貯蓄ができたら解約するのが合理的と言えます。

追加補償プランは契約すべきか?

一般的ながん治療にかかる費用は50万円から高くても200万円程度に収まることがほとんどです。もっと安く済む場合もあります。

今、あなたががんと診断された時にこのお金が用意できないなら、がん保険に加入する意味は十分あります。

ただし、この保険に入るならもっとしっかりしたがん保険を検討しましょう。がん保険の選び方については以下の記事で解説しています。