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専業ライター・アフィリエイターの確定申告ガイド【会計ソフトも税理士も不要】

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専業ライターやアフィリエイターの確定申告についてネットや本で調べていても、わかりにくいものばかりでとても苦労しました。そこで、私が納得いくまで調べて自分で行っている方法についてまとめました。なお、この記事に書いていることはあくまで私の考えにすぎませんのでご了承ください。

この記事を書いた理由

私は現在、専業ライター兼アフィリエイターとして活動しています。

確定申告については会社員の頃から疑問点が多かったのですが、なかなか良い情報に出会うことができず解決できませんでした。しかし、独立して専業となりましたので調べ尽くしたうえ、最後は税務署で個別相談を受けて不明点を明らかにしました。

確定申告は、しっかり準備しておかないとその時期になって泣きをみることは明らかです。ネットに十分な情報がない状況なのですから、同じような思いをしている人もたくさんいるであろうと考えました。そこで、専業ライターやアフィリエイターが行うべき確定申告の方法についてまとめることにしました。

なお、副業でライターやアフィリエイトをしている人のためのガイドは以下の記事に掲載しています。
参考:副業でアフィリエイト(ライター)をしている人の確定申告ガイド

確定申告の手続きとは

専業ライターやアフィリエイターは会社員とは違い、自分で所得税と住民税の手続きをする必要があります。これが確定申告です。

所得税の確定申告は1月1日から12月31日までの期間について、翌年の2月16日から3月15日までの間に行う必要があります。

なお、所得税の確定申告をすると、そのデータが住んでいる市区町村へ自動的に送られ、住民税の金額が決まって6月頃に納付書が届くようになっていますので、住民税については特に手続きは必要ありません。

税務調査について

いきなりですが、私は確定申告の準備をするうえではいつ税務調査が入ってもいいように準備をしておくことが必要と考えています。そして、ここから逆算して普段、何をしておくべきかを考えるのが正解ではないかと考えています。

確定申告書を作成して税務署に提出すると、形式的に問題がなければその場では受理してくれます。しかし、それは申告内容に問題がないという意味ではありません。

確定申告書の中身が事実であるかどうかは税務調査でしか明らかになりませんが、毎年すべての納税者の申告内容について調べていたら大変です。そのため、一部の人を対象にして数年に一度、税務調査を行うわけです。

税務調査は他人ごとというイメージがあるかもしれませんが、個人のライターやアフィリエイターでも入ります。ただし、頻度としてはそれほど多くないようです。初回の税務調査が入るまでの期間はケースバイケースで、早ければ4年目くらい、遅い人だと17年目で初めて入ったという話もネットで見かけました。

大事なことは、自分のところには税務調査は入らないという前提で確定申告をしていてはいけないということです。そのため、税務調査を想定して帳簿や領収書を整えておくことが必要だということです。

なお、伊丹十三監督の「マルサの女」を見た人は、税務調査とマルサを混同しているかもしれませんが、マルサは脱税(の疑い)の規模が大きいときに行われる強制調査です。税務調査はもっと普通の調査です。

税務調査については税理士さんが書いた以下の本がわかりやすいのでぜひ読んでおきましょう。Kindle Unlimitedの会員なら無料で読むことができます。初月は無料なので、会員になったことがないならこの機会に試してみるといいですよ。

税務署の個別相談を利用しよう

確定申告について不安なら税務署の個別相談を利用しましょう。もちろん無料です。事前に予約が必要ですが、個別相談なので聞きたいことをしっかり聞くことができます。

私はネットや本で情報収集をしていましたが、どうしてもわからないことが多く、税理士さんが主催する確定申告セミナーを受けようとか青色申告会に入ろうとか色々考えました。

MFクラウド会計やfreeeなどの会計ソフトも使ってみましたが、今ひとつピンときませんでした。それで、個別相談の存在を知って利用したのですが、間違いなくこれが一番です。

税理士さんに依頼することを検討している人もいるでしょうが、ライターやアフィリエイター程度で税理士さんに依頼する必要性はほぼないと言ってもいいでしょう。また、会計ソフトもはっきり言って不要です。

もちろん税理士さんが確定申告書の作成に関与していれば、税務調査を受ける可能性が下がるなどのメリットはあるでしょうが、少なくとも確定申告を終えるためだけなら必要ありません。

確定申告の方法

確定申告書の作成方法は、以下の3通りがあります。

  • 用紙に手書きで記入して提出
  • 国税庁のホームページで作成したものを印刷して提出
  • e-Tax

一番おすすめなのは、国税庁のホームページで作成してプリンターで印刷する方法です。これなら質問に答えながら入力するので、間違える確率がかなり低くなります。

e-Taxについては事前の届け出が必要ですし、ICカードリーダライタが必要です。確定申告の時期になってからこの記事を読んでいる人では間に合いません。e-Taxで行うのは確定申告に慣れてからでも十分です。

所得税の計算方法

所得は10種類に区分される

所得税や住民税の計算においては、所得を以下の10種類に区分します。

利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得

サラリーマンや公務員が勤務先から受け取っているのは給与所得です。専業ライターやアフィリエイターの報酬は事業所得になります。

それぞれの所得については以下のサイトを参考にしてください。
参考:1. 所得の区分は10種類|知るぽると

所得税の計算方法

所得税の計算方法についてざっくりと説明すると、以下のようになります。

収入-必要経費=所得

所得 × 税率=税額

基本的にはその年の収入から必要経費を差し引いて所得を計算し、それに対して税率をかけて税額を求めます。

ただし、税額をかける前に所得から差し引ける金額があります。これを「所得控除」といいます。所得控除は以下の14種類があります。

基礎控除/配偶者控除/配偶者特別控除/扶養控除/障害者控除/寡婦控除(寡夫控除)/勤労学生控除/雑損控除/医療費控除/社会保険料控除/生命保険料控除/小規模企業共済等掛金控除/地震保険料控除/寄付金控除

基礎控除は誰でも引けるもので、金額は38万円です。社会保険料控除は国民年金や健康保険料の支払額が該当します。これらを合計すると100万円を超えることも珍しくありませんので、きちんと計上しましょう。

所得控除については以下の記事が詳しいので、こちらを参考にしてください。
参考記事:全14種類の所得控除とは?わかりやすく解説!節税に役立てよう|マルナゲ

所得税の税率は超過累進税率

所得税の税率は超過累進税率なので、所得に応じて税率が変わります。

所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万~330万円 10% 97,500円
330万~695万円 20% 427,500円
695万~900万円 23% 636,000円
900万~1800万円 33% 1,536,000円
1800万~4000万円 40% 2,796,000円
4000万円超 45% 4,796,000円

参考:所得税の税率|国税庁

国税庁のホームページでは速算表になっているのでわかりにくいですが、計算の仕方は以下のようになります。所得が500万円なら以下のように計算します。

1,950,000円×5%=97,500円
(3,300,000円-1,950,000円)×10%=135,000円
(5,000,000円-3,300,000円)×20%=340,000円
97,500円+135,000円+340,000円=572,500円

速算表で計算すると、5,000,000円×20%-427,500円=572,500円ですので同じ結果になります。

住民税の計算方法

住民税は均等割と所得割から構成されます。

均等割は1人あたりで決まるので所得の大きさとは無関係です。たとえば千葉県浦安市の場合、住民税の均等割は5,000円です。所得割は所得の金額に対して一律で10%です(例外もありますがほぼ10%です)。

所得税と住民税の所得の計算方法は少し違いますが、だいたい同じと思っておけば良いでしょう。先述の例なら500万円×10%+5,000円=50万5千円ということです。
参考:個人住民税とは|浦安市公式サイト

青色申告特別控除を受けるために必要なこと

青色申告特別控除を受けることができると、最高で65万円を所得から差し引くことができます。

仮に所得税と住民税の税率が合計して20%とすると、節税額は65万円×20%=13万円です。これだけ税金が安くなるわけですから、ぜひ青色申告にしておきたいところですね。

また、2014年からは白色申告でも記帳が義務化されたため、白色申告をするメリットがなくなったと言われています。その意味でも青色申告にすべきです。

青色申告をするためには、前年の3月15日までに所轄の税務署に対して「青色申告承認申請書」という書類を提出することが必要です。新規に開業した場合は開業から2カ月以内に提出すれば大丈夫です。私は開業届と同時に作成し、税務署に郵送で提出しました。

青色申告承認申請書の提出が間に合わなければ、その年の確定申告は白色申告で行うことになります。来年から青色申告をしたいのであれば、確定申告書と一緒に用意して郵送で送るのがおすすめです。

なお、青色申告承認申請書は以下のサイトで作ると簡単なので、これを利用しましょう。開業freeeの登録が必要ですが、費用はかかりません。
参考:青色申告承認申請書の基礎知識

帳簿の付け方

青色申告で65万円の控除が認められるためには、「複式簿記」による帳簿の備え付けが条件です。

ネットや本で情報収集をしていても、この「帳簿」としてどんなものをそろえなければならないのか、どういう要件を満たす必要があるのかがよくわからなくて苦労しました。

結論からいうと、帳簿としては仕訳帳と総勘定元帳があれば問題ありません。そして、Excelなどで作ることが可能で、書式にも決まりがありません。

大事なことは、作成した帳簿は「印刷して紙で保存する」ということです。ここがお役所的ですね。あとで間違いに気付いたらExcelファイルを修正するのではなく、印刷したものを訂正することが必要です。

ところで、税務署主催の記帳説明会に参加したときに冊子をもらいましたが、そこには以下のような記載があります。

これを見るとかなり多くの書類を保存する必要があるように見えますが、実際は使っているものだけで良いそうです。これは、税務署の個別相談で確認しました。

ライターやアフィリエイターであれば、仕訳帳、総勘定元帳、損益計算書、貸借対照表、領収書で十分でないかと思います。損益計算書や貸借対照表は確定申告をするときに作りますので、その控えを残しておけば大丈夫でしょう。

所得の計算方法

ここから先は簿記の知識があるという前提で解説します。確定申告をするために最低限、必要となる知識については以下の記事にまとめましたので、そちらをご覧ください。
参考:確定申告に必要な、最低限の簿記の知識を解説

収入の計上方法

収入の計上については、そのタイミングが大事です。簿記の知識がないと、お金をもらったときに売上を計上するものと考えてしまうでしょうが、それは間違っています。正確には、相手に対して請求権が発生したタイミングです。これを実現主義といいます。以下、具体例を挙げて仕訳を例示します。

ライターとして記事を納品し、代金の請求権が発生した場合

売掛金 10,000 / 売上 10,000

この仕訳は代金の受け取りが翌月以降になるという前提です。売掛金とは売上代金を後から回収するときに使う勘定科目です。代金を受け取っていませんが、この時点で売上とします。

記事代を回収した場合

事業主貸 10,000 / 売掛金 10,000

売掛金を回収したので、売掛金勘定の貸方に計上します。借方の「事業主貸」ですが、事業から生じたお金が個人のフトコロに入っているので、事業主に貸したという意味合いで使われる資産の勘定科目です。同様に「事業主借」という勘定も使われます。これは負債の科目です。

なお、簿記3級の勉強をしても「事業主貸」と「事業主借」、そして年末にこれらを相殺して計上する「元入金」という勘定科目は出てきません。簿記の知識があっても、これらについては理解する必要があります。

アフィリエイトの報酬の計上

発生時:仕訳なし
確定時:売掛金 10,000 / 売上 10,000
振込時:事業主貸 9,892 / 売掛金 9,892
振込時:支払手数料 108 / 売掛金 108

アフィリエイトの報酬は発生、確定、振込の3ステップがあります。発生した報酬が取り消されることは珍しくありませんので、発生した時点で売上計上するのはおかしいです。そのため、確定した時点で計上しておけば良いでしょう。振込の時に振込手数料を差し引くASPと差し引かないASPがありますが、差し引く場合は上記のような仕訳にするのが妥当ではないかと思います。

ランサーズの場合はクライアントとの取引が完了した時点で報酬を受け取る権利が発生するので、その時点で以下のように計上しています。報酬が1万円の場合は20%がランサーズ手数料として差し引かれますので、以下のようにします。

売掛金 8,000 / 売上 8,000
支払手数料 2,000 / 売上 2,000

なお、ライターの売りげについては記事の納品時ではなく、月末にまとめて計上しています。サグーワークスの場合は記事そのものの承認ポイントとレベルアップポイントがありますので、その月にポイントが計上されたものを1本の仕訳で処理しています。仕訳を省略する代わりに、金額の根拠となる画面を印刷して保存しています。

なお、税理士・高橋輝雄先生のブログに、アフィリエイターの確定申告について面白い話が掲載されていました。

何度かアフェリエイトに関する税務調査に立ち会いしたことがありますが、確定報酬をきちんと集計できているか否かで調査の8割は終わったようなもの。ここがしっかりできていた時の税務調査官の落胆ぶりといったらありません。

引用元:アフィリエイト(アフェリエイター)の税務調査対策の3つのポイント。|高橋輝雄税務会計事務所

税務調査官は売上計上のタイミングを重視していることが、この記述からうかがえます。

支出の計上方法

支出については仕訳がわかればそれほど悩むことはないでしょう。現金での支払が生じたときに計上するのではなく、支出をした日に計上することがポイントです。

現金で買った場合

消耗品費 1,000 / 事業主借 1,000

私は事業用の現金を用意していませんので、何かを現金で買ったときは、事業主からお金を借りたという扱いにしています。そのため、貸方は事業主借になります。

クレカで買った場合

消耗品費 1,000 / 未払金 1,000

クレカで買った場合は、いったんすべて未払金に計上しています。そして、クレジットカードの決済をしたときにまとめて次の仕訳をします。

未払金 100,000 / 事業主借 100,000

未払金勘定はあえて立てなくても良いのではないかと思いますが、帳簿らしさを出すために私は入れることにしました。

領収書の保存

領収書がもらえなくても大丈夫

事業に関連する領収書をもらったときは保存しておいてください。領収書は7年間の保存義務があります。領収書は何かの紙に貼り付けて、その月分をまとめておけば良いです。私はA4の用紙にまとめて貼っています。

領収書については手書きのものでなく、普通に買い物をしたときにもらうレシートで大丈夫です。むしろそのほうが詳しく書かれているので良いらしいです。

クレジットカードで支払っている場合は、明細を印刷しておけば大丈夫です。ただし、後から見て何の支出かわからないと困るので、わかりにくい場合は手書きでメモをしておきましょう。交通費は領収書が出ませんので、仕訳をしてメモしておきましょう。

ネットのサービスも、よく探せば領収書を印刷できることが多いです。たとえばAmazonでも、注文履歴を確認すれば印刷できる画面が見つかります。

領収書の電子化は可能?

領収書を写真で撮影したりスキャナで読み取ったりして電子化できないか、と考える人もいるでしょう。

結論から言うと、当面は実質的にできないと考えてください。

領収書を電子化するためには届け出が必要ですし、いろいろと細かい要件があります。個人のライターやアフィリエイター程度ではそれほど領収書の量も多くなりませんので、真剣に電子化を検討するレベルの話ではありません。

以下の記事も参考にしてみてください。
参考:フリーランス必見! 領収証等の電子保存の基礎知識|KaikeiZine

ブログやサイトを作成するための支出はどこまで経費として認められるか

ブロガーは最強の商売?

以前、イケハヤさんが以下のような記事を書いていました。これは大事なポイントなので必ず読んでください。

参考:「経費の幅が広いブロガーは最強の商売かもしれない。」|まだ仮想通貨持ってないの?
参考:「何でも経費にできるアフィリエイトは最強。」|まだ仮想通貨持ってないの?

私は正直、ここに書いていることは通用しないだろうと思っていたので、個別相談の時に印刷して税務署に持参し、税務署の方に読んでいただきました。

しかし意外なことに、収益を得るために必要な経費であれば問題ないという様子でした。はっきりとそのように言われたわけではありませんが、積極的に肯定はできないけどダメとも言えないという印象でした。

ただ、ライターの取材費用のようなものはともかく、ブログ記事を書くときの経費が簡単に認められるとは考えないほうが良いです。

経費として認められる基準

経費として認められるかどうかは、その経費が収益の獲得に貢献しているかどうかが判断基準です。

ブログ記事の場合、その記事が収入を生み出すのがいつになるかはっきりしません。また、その因果関係が不明確なことも多いです。

ASPの中にはリファラが取れるところがありますので、そのようなケースなら認められやすいかもしれません。たとえばA8ネットなら「新レポートβ版」のところに「コンバージョンリファラレポート」というものがあります。こうしたものを利用すれば、ある程度は因果関係が示せるのではないかと思います。

しかし、アドセンスのように因果関係を立証しようがないものだと難しくなるのではないかと考えています。収入の多い記事があるなら、そこだけタグを別にするというのが1つの解決策になるかもしれません。

イケハヤさんの記事の中にある例だと、たとえばディズニーランドについての専門ブログを持っていて、ブログ内にディズニーランドの記事しかないようなケースであれば認められやすいでしょう。しかし、仮想通貨の記事ばかりのブログの中で唐突にディズニーランドの記事が出てくれば、税務調査官も納得しない可能性が高いのではないでしょうか。

ブログの記事を書くためにお金を使うときは、いかにして税務調査官を納得させるかということをしっかり考えておく必要がありそうです(あくまでこれは個人の見解です)。

サーバー代やドメイン代ならまったく問題はありませんが、その記事を書くための支出については、記事を書く段階でよく考えたほうが良さそうです。

なお、何が経費になるかという点については以下の本が詳しいです。元税務調査官が書いた本なので説得力があります。この手の本は多く販売されていますので、1冊くらいは読んでおいたほうが良いです。

家事関連費の計上

ライターやアフィリエイターは独立した事務所を設けず、自宅で作業をしている人も多いでしょう。その場合、生活費として支出している金額の一部を経費として計上することができます。これが「家事関連費」です。

たとえば家賃、電気代、NTTの費用などが挙げられます。このうち3割なり5割といった金額を経費として計上できるわけです。これを「家事按分」と言います。ただし、経費にできる金額はケースバイケースで決まりますので一概にはいえません。

考え方としては「税務調査官に対して合理的な説明ができるかどうか」が基準になります。この点はネットで調べていてもあいまいなので個別相談のときに質問したのですが、「あまり甘く考えないほうがいい」という印象を受けました。

家賃の場合は仕事専用で使っている部屋があれば、その面積で按分すれば良いです。そうでない場合は家賃の金額に占有面積をかけ、さらに仕事で使っている時間と生活で使っている時間で按分することが必要です。

家賃については比較的はっきりとした回答だったのですが、その他の費目については何とも言えないようでした。おそらくケースバイケースで大きく変わるのでしょう。そのため、調査官から説明を求められたときにうまく説明する方法を考えておきましょう。

勘定科目について

確定申告書の損益計算書を見ると、勘定科目が印刷されています。基本的には支出の性質に合わせてこの中から選べば良いでしょう。

  • 租税公課
  • 収入印紙の購入費や事業用の自動車に関する税金など

  • 荷造運賃
  • 宅配便で送ったときの送料など

  • 水道光熱費
  • 電気代・水道代・ガス代など。なお、家事関連費でガス代は認められにくいようです。

  • 旅費交通費
  • 宿泊費や交通費。

  • 通信費
  • NTTやプロバイダに払っている料金、携帯電話のキャリアに払っている料金など。

  • 広告宣伝費
  • Facebook広告やリスティング広告の費用など。

  • 接待交際費
  • セミナー後の懇親会費など。

  • 損害保険料
  • 事業に関連する保険に入っていれば、その保険料。

  • 修繕費
  • 事業に使うパソコンの修理をした場合の修理代など。

  • 消耗品費
  • プリンターのインクやボールペンその他、細かい出費。

  • 減価償却費
  • 自動車やパソコンなど、数年間にわたって利用するものの取得費を各年度に按分した場合の費用。

  • 給料賃金
  • 個人事業主なら従業員はいませんので使いません。自分の給料という概念は法人ではないのでありません。

  • 外注工賃
  • 記事やイラストなどを外注した場合の費用など。

  • 利子割引料
  • 持ち家の住宅ローンを払っている場合、利子相当額の一部は家事関連費として計上できるはずです。

  • 地代家賃
  • 自宅で作業をしている場合や事務所を借りている場合の賃料。

  • 貸倒金
  • 売上金が回収できなくなった場合、費用として計上します。

  • 雑費
  • その他の費目に該当しないもの。

この中にしっくりくるものがない場合や質的に重要だと感じるものは、余白のところに独立した勘定科目を作って記載すれば良いです。私は以下のものを独立して作っています。税務署の方にも見ていただいていますので、これで問題はありません。なるべく金額の大きなものは雑費にしないほうが良いようです。

  • サーバー代
  • ドメイン代
  • ツール代
  • 書籍資料代
  • セミナー代

できれば月次決算をしよう

私は帳簿を月末に締めて、記帳が正しく行われているかどうか確認します。月次決算をする必要はないのですが、月に一度のペースで必要な領収書などを整理しておけば、確定申告のときにあわてずに済みます。

簿記をやっていた経験があればわかると思いますが、貸借対照表と損益計算書の当期純利益が合わないということはよく起こります。こういう場合は仕訳の転記ミスが多いですね。

また、毎月の業績を把握することができますので、そういう意味でもおすすめです。

確定申告書として提出する書類の書き方

確定申告書の種類

確定申告書として提出する書類は、「平成○○年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書B」と「平成○○年分所得税青色申告決算書」です。
参考:「平成○○年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書B」
参考:「平成○○年分所得税青色申告決算書」

メインとなるのは以下の3つで、あとは内訳を記載する書類です。

【確定申告書B】

【損益計算書】

【貸借対照表】

確定申告書はAとBがありますが、Aは給与所得や公的年金、雑所得のみの場合に利用するものなので、基本的にはBを使います。

書類の書き方(ポイントのみ)

【確定申告書B】

ここは売上として計上した金額です。

ここは所得なので、最後に書きます。

所得控除で該当するものをここに記入します。

いずれも説明のとおりに計算します。ここで税額がわかります。

青色申告特別控除額をここに記入します。

【損益計算書】

主に赤枠で囲ったところの記入が必要です。

内訳については売上のところに記入が必要です。商品を仕入れて販売しているのではないので「仕入金額」は記入する必要はありません。

ここで青色申告特別控除額の計算をしますが、普通に仕事をしていれば65万円になるでしょう。

【貸借対照表】

必要な科目について金額を入力してください。ライターやアフィリエイターならそんなに多くないはずです。

ここは事業主貸と事業主借の年間総額を記入し、差額を元入金として記載してください。元入金は翌年に繰り越され、累積していきます。

おわりに

おそらく、零細ライターでここまできっちりと確定申告の準備をする人は、あまりいないのではないかと思います。

なぜ私が帳簿をきっちりつけるかというと、ひとえに「税務調査官の心証を良くするため」に尽きます。

先述したとおり、アフィリエイトのための支出を経費として認めてもらうのは意外と難しいのではないかと考えています。

そして、調査官が経費として認めてくれるかどうかの最終判断は、納税に対する姿勢で判断されるのではないかと感じました。そして、支出をごまかすのではなく、経費をしっかり認めてもらうことで節税するというわけです。以下のツイートにあるような「さじ加減」を甘くしてもらうためです。

これは推測ですが、もし、税務調査を受けてさじ加減が厳しいと感じたなら、帳簿の付け方や納税に対する意識が甘いと調査官に思われたのではないかと思います。あと、税務調査は「食らう」ものではなく、普通にあるものと考えておいたほうが良いでしょう。調べていればそんなことはわかるはずです。

税務調査に不安を感じるなら、予約をとって個別相談に行ってみてください。年明けは忙しいので、なるべく年内に来てほしいと言っていました。無料ですので積極的に利用しましょう。

  • この記事を書いた人

横山 拓哉(FPライター&ブロガー)

FP(ファイナンシャルプランナー)として保険屋をしていましたが、医療保険不要論に悩まされ、1本も保険を販売することなく1年で辞めました。プロフィールや料金表(ライター)はこちらに掲載しています。

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