保険と家計を見直そう

「無料で保険に入れます」という内容の「フリーケアプログラム」ですが、無料の保険なんて怪しいと思っている方も多いでしょう。そこで、元保険屋の私がその内容について検討しました。

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フリーケアプログラムとは?

先日、加入している楽天カードから「入院補償 無料進呈」と題した封書が届きました。これは保険の加入案内です。

「タダで保険に入れるなんて怪しくない?」と疑っている人もいるでしょうから、落し穴はないのかどうか検討した結果をまとめます。

(追記)この手法はどうやらうまくいっているようで、非常に多くのところから送られているみたいです。最近の例で言えばnanaco、ana、jcb、エポスカード、群馬銀行、スルガ銀行、ponta、オリコ、ファミマtカードなど様々ですが、基本は同じと見て頂いて良いです。

まず、この保険はチューリッヒ保険会社が主にカード会社に対して提供している商品です。そのため楽天カードだけでなく、イオンカードやエポスカードなど、約80社がこのサービスを利用しています。
参考 チューリッヒ保険会社ウェブサイト

つまり、楽天カードはチューリッヒ保険会社の代理店のような役割を果たしているわけです。おそらく、これを通じて加入者が出た場合、保険料(有料分)の一部を手数料として楽天カードが受け取るのではないかと思います。

そのため、保険の商品自体は何の問題もないと思いますので、過剰に警戒する必要はありません。

この保険は無料でも加入できますが、あくまで無料なのは「交通事故傷害保険」のみで、5日以上入院した時に入院一時金30,000円を受け取れる部分だけです。

この保険が補償の対象としている事故は、契約概要の「2.補償内容について」のところに書かれている次の3つのみです。

  • 交通事故
  • 駅の構内など改札口の内側で被った事故
  • 乗物の火災による事故

追加で500円を支払うことで、次の3つの補償も受けられます(追加補償)。

  • 賠償責任保険 1億円
  • 入院保険金 1日につき5,500円
  • 手術保険金 55,000円(最高額。基本は入院保険金日額の5倍又は10倍)

ちなみにこちらの入院保険金は無料プランと違い、偶然の事故はすべて補償の対象になります(保険金が支払われない場合として列挙されているものを除きます)。

なお、これはあくまで傷害保険なので、入院保険金や手術保険金はケガが原因の時しかもらえません。病気が原因の時は対象外なので注意してください!

無料プランの注意すべきポイント

この保険を検討するにあたり、注意すべきポイントを整理したいと思います。

  • 無料プランのみの場合、補償を受けられるのは交通事故の時だけ
  • 無料プランの正式名称は「交通事故傷害保険」で、追加補償プランの正式名称は「普通傷害保険」です。したがって、500円を払えばケガの全てを補償してくれますが、無料プランはあくまで交通事故のみを補償の対象としています。

  • 無料で補償してくれる期間は3年間のみ
  • 交通事故の補償をしてくれるのは、あくまで3年間のみです。3年経ったらどうなるのか、それは分かりません。3年後もキャンペーンを延長してくれるかもしれませんし、以降は保険料を払ってくださいという案内がくるかもしれません。

    なお、無料プランで加入していて3年が経過した場合、そこで契約は終了となります。勝手に自動更新をして、保険料をカードで支払うようなことにはなりません。これはチューリッヒ保険会社のサイト内にもきちんと書かれています。

  • 入院一時金は5日以上入院した場合のみもらえる
  • 無料プランで補償してくれる入院一時金は、あくまで5日以上入院した時だけしかもらえません。例え1日や2日でも入院となったら大変な思いをすると思いますが、それでも4日未満は非情に切られてしまうのです。

追加補償プランは、すでに加入している保険と重複する可能性が高い

追加補償プランの方ですが、賠償責任保険は「個人賠償責任保険」という名前で、一般の人でも知っている人が増えています。なぜかと言いますと、自転車向け保険の販売が盛んになってきているからですが、自転車向け保険の中身で一番大事なのが個人賠償責任保険だからです。

自転車に乗っていて歩行者にケガをさせてしまったような場合、この個人賠償責任保険が使えるのですが、これは自転車保険だけでなく、火災保険や自動車保険にもよくついています。保険証券を探してこの文字が入っていないかどうか確認してみてください。入っている可能性が高いです。その場合は二重に加入することになりますが、二重に加入していても、保険金を2倍もらえるわけではありません。

また、入院保険金や手術保険金は、医療保険に加入していると重複することになります。医療保険は病気全般で使えますが、これはあくまでケガの場合のみ。ケガで入院することって生涯、どれだけあると思いますか?

支払う保険料は毎月500円と安いですが、1年経てば500円×12カ月=6,000円、10年経てば6万円です。損害保険は生命保険と違って真面目な商品が多いので、保険料に見合わない補償内容だとは思いませんが、「必要な」保険かと言われれば、そうでもないというのが正直なところです。ただしこちらは、重複して保険金を受け取ることができます。

強いてメリットをあげるとすれば、生命保険会社で加入している医療保険の場合、1回の入院で保障される期間は60日とか120日になっている人が多いだろうと思いますが、この保険の場合は180日まで補償される点です。

実際に入ってみました

特に補償を必要としていたわけではありませんが、実際に入ってみました。ちなみに加入したのは以上で説明してきた楽天カードのものではなく、ジャックスカードの「ジャックス・フリーケアプログラム」です。もちろん申し込んだのは無料プランのみです。

申込みをしてから保険証券(加入者証)が届くまでは2週間以上かかったでしょうか。無料プランだからなのか、あまりやる気が感じられません。

届いた封筒の中には、次のような書類が入っていました。

一番大事な保険証券(加入者証)はこちら。4月に申し込んだのに、保険期間の開始がなぜか8月になっています。ちゃんとした保険だったらこれでは困りますけどね。

楽天ミニ保険 ガンプランの時と比べると、必要最小限の書類だけが送られてきたという印象です。これで8月から3年間、ケガで入院した時に3万円のお見舞金がもらえるというわけです。

ちなみに楽天のフリーケアプログラムは交通事故傷害保険でしたが、ジャックスのフリーケアプログラムは普通傷害保険ですので、ケガ全般が対象になります。

なお、加入してから半年近く経ちましたが、他の保険の営業電話や営業メール、ダイレクトメールの類は一切ありません。過剰な心配はいらないと言えます。

まとめ

私が初めてこの案内を見た時の第一印象は「商売上手だな」というものでした。無料の補償で誘っておいて、追加のプランで利益を出そうという狙いなんでしょうね。

以上のことを分かっていて加入する分には問題ないと思います。特に無料プランだけなら全く大丈夫です。それほど疑ってかからなくても、モノがモノだけに普通の商品を売るのとは話が違いますので、ヘタなことは出来ないはずです。

なお、私は楽天カードから同様の保険である「楽天ミニ保険 ガンプラン」に満期まで入りましたが、特にうっとおしい勧誘を受けたりするようなことは一切ありませんでした。

参考 「楽天ミニ保険 ガンプラン」に加入して1年経つとこうなる

こちらも使う可能性はきわめて低いと思いますが、入っていて損をすることは一切ないと言って差し支えないですので、興味のある方は気軽に加入してみるといいですよ。

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