就業不能保険、医師は必要と評価している?

病気やケガが原因で働けなくなったときの収入減少に備える民間の保険は「就業不能保険」と「所得補償保険」です。この記事ではこれらの保険の必要性について解説します。

FP横山

就業不能保険はわかりにくいです。

医師からの就業不能保険に対する評価は高い

就業不能保険とは

病気やケガが原因で働くことができなくなることは、誰にでもあり得るリスクです。働くことができなければ、それまで仕事で得ていた収入がなくなったり、同程度の収入が得られなくなる可能性があります。

こうした事態に備えるための民間の保険が「就業不能保険」や「所得補償保険」です。生命保険会社が販売している商品が就業不能保険で、損害保険会社が販売しているのが所得補償保険です。商品にはやや違いがありますが、基本的な考え方は同じなので、商品を選ぶうえでは名前はそれほど気にする必要はありません。

医師に「就業不能」の可能性を尋ねた結果

ライフネット生命が現役医師を対象に、就業不能保険に関連したアンケートを行った結果があります。
参考:現役医師100人に聞いた、医療現場における就業不能状態の実態|ライフネット生命

医療の現場で働く医師にライフネット生命の就業不能保険の商品ページを見せた結果、93%が「ライフネット生命の就業不能保険は長期間の入院・自宅療養に備えて必要」と回答しているという結果になっています。

現場で実際に就業不能になった人を多く見ていると思われる医師たちがこのように感じるということは、医療関係者でない人がその必要性を実感できなくても、就業不能保険は商品として価値があるということなのかもしれません。

働けなくなったときに使える3つの公的な社会保障

就業不能状態になったからといって、すぐに収入がゼロになるわけではありません。なぜなら公的な保障があるからです。そのため、民間の保険による備えを考える前に公的な保障について知っておく必要があります。働けない状態になったときに役立つ主な公的保障は以下の3つです。

傷病手当金

病気やケガで入院または在宅療養をしていて働くことができない場合、会社員や公務員であれば、健康保険から「傷病手当金」を受け取ることができます。傷病手当金は、簡単にいえば給料のおよそ3分の2を最長で1年6カ月(4日目から)、受け取ることができる制度です。この金額に賞与は含まれない点に注意してください。
参考:病気やケガで会社を休んだとき|全国健康保険協会(協会けんぽ)

自営業者も健康保険には加入していますが、自営業者はこの制度がありません。そのため、自営業者は働けなくなるリスクについてはよく考えておく必要があります。

障害年金

障害年金は、病気やケガが原因で仕事の制限を受けるような状態になり、所定の条件を満たすと受け取ることができます。障害基礎年金と障害厚生年金があり、障害基礎年金は障害の程度によって1級または2級、障害厚生年金は1~3級まであります。

年金の金額は障害の程度や配偶者・子どもの有無などによって変わりますが、年間でおよそ80~150万円程度になるものと考えてください。障害基礎年金と障害厚生年金ではかなり金額に差がありますし、個人差も大きいです。詳しくは日本年金機構のサイトをご覧ください。
参考:障害年金|日本年金機構

なお、障害年金は初診日から原則として1年6カ月以上が経過しないと請求ができないので、その点には注意してください。

労災保険からの給付

就業不能となった原因が勤務中や通勤途中である場合は労災保険からの補償があります。労災保険からは療養補償給付、休業補償給付、傷病補償年金などの給付を受けることができます。

傷病手当金や障害年金と併給することはできず、労働災害が原因の場合は労災保険から給付が原則となります。
参考:労働災害が発生したとき|厚生労働省

「就業不能」の定義は商品によって違う

「働けない状態」は主に4つ

就業不能保険は「働けなくなったときの保険」ですが、この「働けない状態」は商品によってかなり違います。具体的には以下のような状態が該当します。

  • 入院している
  • 在宅療養をしている
  • 所定の障害状態になる
  • 所定の要介護状態になる

上記のうち、入院以外については公的な制度と連動して就業不能と判断するものと、保険会社独自の基準で判断するものがあります。

公的な制度と連動するというのは、たとえば障害状態については国民年金法または身体障害者手帳の障害等級に該当することを判断基準にしたり、公的介護保険制度の要介護状態に該当することを判断基準にしたりすることです。

公的な制度に連動する場合は判断基準がはっきりしているので、いざ給付金を受け取るときに、保険会社のさじ加減で受け取れるかどうかが変わらないのがメリットです。

在宅療養の具体例

たとえば、ライフネット生命の就業不能保険「働く人への保険2」では、就業不能状態の1つである在宅療養を以下のように定義しています。

病気やケガにより、医師の指示を受けて、日本国内の自宅等で、軽い家事および必要最小限の外出を除き、治療に専念している状態。
ただし、梱包や検品などの軽労働または事務などの座業ができる場合は、在宅療養をしているとはいいません。

「梱包や検品などの軽労働または事務などの座業ができる場合は、在宅療養をしているとはいいません」とあります。ここは、実際に判断するときにもめるのではないかという気がしませんか?

このように、給付金を支払うかどうかが保険会社のさじ加減で決まる場合はやや不安です。最終的には保険会社の信頼性まで考慮する必要があるでしょう。

障害状態や要介護状態を確認しておこう

障害等級を受けられる状態については以下のサイトをご覧ください。
参考:国民年金・厚生年金保険 障害認定基準|日本年金機構
参考:身体障害者障害程度等級表|東京都

また、要介護状態は公的介護保険制度が基準です。要介護状態については以下のサイトをご覧ください。
参考:介護保険制度とは|みんなの介護

商品によっていろいろな基準があり、細かい条件が約款で定められているので、契約するときは対面または電話でしっかり説明を受けて、その条件をよく確認することが必要です。

おわりに:どこまで保障してもうらうべきか

4種類の就業不能状態のうち、最も範囲が広いのは「在宅療養」でしょう。これを保障してもらうのが就業不能保険の本来の使い方といえます。

そのため、迷ったら在宅療養を対象とする商品を選んでおくのが無難でしょう。

具体的な商品の比較については以下のページで行っていますので、よろしければご覧ください。
非公開: 就業不能保険の選び方と、商品の比較レビュー【9社】