収入保障保険のおすすめは?選び方とともに解説します

最近の収入保障保険は就業不能保障や介護保障をつけられるものが増えています。ただし、これをつけると保険料は高くなりますので、必要かどうかは慎重に判断することが大事です。こうした保障は各社で違いがありますので、その違いを中心に解説します。

FP横山

就業不能保障をどうするかが、商品選びのポイントになります

収入保障保険とは

注意
保険は「商品選び」よりも「保障選び」のほうが大事です。そのため、商品を選ぶ前にどんな保障が必要なのかということを理解しましょう。保障の選び方がわかったら、保険ショップに行って条件に合う商品をピックアップしてもらい、保険料の安い商品を選べば良いです。

収入保障保険の役割

収入保障保険とは、保険の対象となる人が死亡した場合に備え、遺族の生活保障を目的として加入する保険です(高度障害状態で所定の状態になったときも保険金を受け取れます)。

商品の性質としては定期保険と同じですが、定期保険は1,000万円、2,000万円といったまとまった金額を受け取る形で加入するのに対し、収入保障保険では毎月10万円、15万円といった形で年金としてに受け取るのが特徴です(収入保障保険でも一括して受け取ることはできます)。

収入保障保険は加入してからの年数の経過とともに、契約終了までの残り期間が短くなることから受け取れる保険金の総額が少しずつ少なくなります。それに合わせて保険料も安くなっているので、一般的には定期保険に加入するよりも有利であるといわれています。

なお、収入保障保険の基本がよくわからないという人は保険会社の商品説明ページをご覧ください。わかりやすい説明をしている保険会社が多くあります。一例としてネオファースト生命の「ねおdeしゅうほ」を挙げておきます。

収入保障保険と就業不能保険は違います!

収入保障保険と就業不能保険は似ていますが、違う保険です。

収入保障保険は保険の対象となっている人が死亡した場合に備え、遺族の生活保障を目的として加入する保険ですが、就業不能保険は保険の対象となっている人が働くことができない状態になったときを想定し、得られなくなる収入を代わりに保険会社から払ってもらうイメージの保険です。

収入保障保険は以前から高度障害状態で所定の条件を満たしたときに保険金を受け取れましたが、これも就業不能保障の1つといえます。最近増えた、収入保障保険の特約としてつける就業不能保障、あるいは就業不能保険として発売されている商品は、この条件を少し緩めたものと考えれば良いでしょう。

収入保障保険を選ぶポイント

収入保障保険の基本機能(死亡または高度障害になったときに保険金を支払うという点)は商品によって違いがほとんどありません。各社商品の違いは主に以下の点です。

健康体料率の有無

最近の収入保障保険は、被保険者(保険の対象となる人)の健康状態によって保険料に差をつけているところが増えました。健康状態を判断する基準は過去1年以内の喫煙歴、BMI、血圧の3つであることが多いですが、中には尿検査が必要なところもありますし、過去2年以内の喫煙歴をみる保険会社もあります。

ただし、健康に自信があるなら健康体料率を設けている保険会社を選べばよいと考えるでしょうが、実際は見積もりをしてみないとわかりません。保険料の安い保険会社を選びたい場合は結局、健康体料率の有無にかかわらず見積もりをしてもらって比較するしかありません。

就業不能保障の有無

就業不能保険の販売が活発化するとともに、他の保険に同様の就業不能保障をつけるケースが増えています。働くことができなくなったときに年金を受け取れるという保障です。

年金を受け取れる条件となるのは主に三大疾病にかかる、障害年金が受給できる状態になる、介護保険の要支援または要介護状態になるかいずれかで、所定の条件を満たすこととなっています。

就業不能保障をつけるかどうかを判断するときは、その詳細な条件を必ず確認してください。パンフレットだけを見ていると、がんや急性心筋梗塞にかかっただけで年金を受け取れると勘違いしてしまいます。実際はもっと細かい条件がついていることがほとんどです。商品によっては精神障害も対象になるものがあります。

悪性新生物については診断確定が条件になっていることが多いですが、これはがん保険と同じです。がん保険に入っているなら保障が重複しているかもしれませんので注意してください。

会社員や公務員なら傷病手当金が1年6カ月受け取れます。障害等級に該当すると年金を受け取れる商品もありますが、障害等級に該当しているなら障害年金が受け取れます。本当に必要なのかどうかの判断は保険料をみて慎重に行ってください。

注意
保険会社によって細かい条件がかなり違うので、契約するときは必ず代理店で詳しく説明を受けましょう。

保険料払込免除特約(特則)

所定の条件を満たすと、それ以降の保険料の払込が免除される特約を設けている保険会社が多いです。その条件は就業不能保障と近いことが多いです。これも本当に必要なのかと言われれば疑問ですが、個人的にはこうした条件にあてはまったときに保険料の支払いが免除されるのは悪いことではないと考えています。

ただし、これは合理的な判断ではなく気持ちの問題なので、あったほうが良いと感じるならつけても良い特約であると考えています。

最低支払保証期間

収入保障保険は契約してから時間が経つほど、受け取れる保険金額が少なくなるのが特徴です。しかし、保険期間が終わる直前の1~5年間については、その期間分の保険金を必ず受け取れるようにしているのが「最低保証」です。

こうした保障が存在する理由は不明です。もしかしたら、満期直前に保険金受け取りの条件にあてはまると金額が少ないので、契約者に不満を持たれるのを回避することが狙いかもしれません。理屈のうえでは不要な保障なので、保険料払込免除特約と同様、ほしいと感じるならつけておけば良いでしょう。もちろんその分、保険料は高くなります。

MEMO
ポイントになるのは就業不能保障をつけるかどうかです。これが不要、あるいは別の保険で加入するのであれば、あとは保険料払込免除特約をつけるかどうか、最低支払保証期間はどうするかを決めて、保険料を比較すれば良いのでそれほど難しくはありません。
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各社の収入保障保険について

  • リンククロス じぶんと家族のお守り(損保ジャパン日本興亜ひまわり生命)約款はこちら
  • 健康体料率:あり(過去1年以内の喫煙歴、BMI、血圧)
    最低保証期間:あり(低減払込方式を採用している場合は2年、平準払込方式の場合は2年と5年から選択可)
    就業不能保障:就業不能年金、生活サポート年金

    保険料の払込方式として「低減払込方式」を選択すると保険料が年5%程度ずつ減少し、保険期間満了直前の5年間は加入時の50%相当額になります。普通の払い方(平準払込方式)もできます。特殊な保険料率ですが、最終的には総額でいくら支払うのかで選べば良いです。

    就業不能年金が受け取れる7大疾病は悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中、慢性腎不全、肝硬変、糖尿病、高血圧性疾患です。ただし、いずれもこれらの症状と診断されるだけでは年金を受け取ることができません。条件もかなり厳しいほうなので、あまりおすすめはできません。

    生活サポート年金は、7大疾病または所定のメンタル疾患で60日以上、継続して入院すると受け取れます。7大疾病については就業不能年金と定義が同じです。メンタル疾患とは統合失調症、気分障害、神経症性障害などが該当します。就業不能年金とのもう1つの違いは、就業不能年金が保険期間の満了まで受け取れるのに対し、生活サポート年金は2年または5年で契約者が決めた期間のみである点です。

  • 収入保障保険プレミアム(チューリッヒ生命)約款はこちら
  • 健康体料率:あり(過去1年以内の喫煙歴、血圧)
    最低保証期間:なし
    就業不能保障:就業不能年金、ストレス性疾病年金

    「ストレス性疾病保障付就業不能保障特約」をつけると、就業不能年金やストレス性疾病年金を受け取れます。

    就業不能年金は5疾病(悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中、肝硬変、慢性腎不全)により所定の就労不能状態となり、60日を超えて継続したとき、または不慮の事故による傷害が原因で所定の障害状態になったときです。ストレス性疾病年金は、所定のストレス性疾病を原因として入院し、不担保期間を超えたときに受け取れます。

    ストレス性疾病年金は、所定のストレス性疾病により入院し、かつ、その入院が不担保期間(60日)を超えたときに受け取れます。受け取れるのは1年または2年で契約時に定めた期間です。所定のストレス性疾病とは統合失調症や気分障害などの精神障害だけでなく、胃潰瘍や十二指腸潰瘍など、一般的にストレスが原因と考えられている病気も該当します。

    ただ、いずれの年金も入院が60日以上継続することが条件となっています。悪性新生物については診断確定するだけで受け取れるものもあるので、他の商品と比べて受給できる条件は厳しめになっています。

  • &LIFE 新収入保障(三井住友海上あいおい生命)約款はこちら
  • 健康体料率:あり(過去1年以内の喫煙歴、血圧、BMI、自動車等の運転歴)
    最低保証期間:あり(1年、2年、5年から選択可)
    就業不能保障:生活障害年金、生活介護年金、特定就労不能障害年金

    生活障害年金は障害等級1級または特定障害状態に該当したとき、生活介護年金は公的介護保険の要介護2以上、または生活介護状態が継続して180日以上続いたとき、特定就労不能障害年金は特定就労不能障害年金の対象となる疾病を原因として障害等級2級に該当するか、特定就労不能障害状態 12に該当したときに受け取れます。

    障害等級や要介護の認定は公的機関が行いますが、それ以外は保険会社が認定する基準です。約款を読むと、他社と比べてきわめて細かく規定されているので、支払いのときが不安ですし、公的な基準と大差があるとは考えにくいです。そのため、契約するかどうかは公的な基準のみを用いたほうが無難でしょう。

    なお、特定就労不能障害年金は単に障害等級2級に該当するだけでなく、特定就労不能障害年金の対象となる疾病を原因としてという条件がついている点に注意してください。

  • 家計保障定期保険NEO(東京海上日動あんしん生命)約款はこちら
  • 健康体料率:あり(過去1年以内の喫煙歴)
    最低保証期間:あり(1年、2年、5年から選択)
    就業不能保障:5疾病初期入院給付金、重度5疾病・重度介護給付金

    5疾病・重度介護家計保障特約をつけた場合、5疾病(悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中、肝硬変、慢性腎不全)の治療で入院すると一時金(5疾病初期入院給付金)を受け取ることができ、所定の就業不能状態や所定の要介護状態になったときは毎月、給付金を受け取ることができます。

    「就業不能状態」は5疾病の治療を目的として入院をしている状態か、医師の指示により自宅等で療養し、職種を問わず、すべての業務に従事できない状態をいいます。これが60日以上、継続することが要件です。「職種を問わずすべての業務に従事できない」というのは厳しい条件です。

    要介護状態は公的介護保険に連動しておらす、保険会社独自の基準です。常時寝たきりで介護が必要、または器質性認知症で他人の介護が必要な状態が180以上続くことが要件なので、収入保障保険に加入する年齢でこの状態になる人はかなり限られるでしょう。この給付金を2年、5年、保険期間満了までのいずれかから選択できます。

    なお、一時金は就業不能保障というようりも入院給付金に近い性質なので、わけて考えたほうが良いです。

  • 家族をささえる保険Keep(オリックス生命)約款はこちら
  • 健康体料率:なし
    最低保証期間:あり(1年または5年から選択)
    就業不能保障:なし

    「Keep」はオーソドックスな収入保障保険です。最近、流行っている就業不能の保障は用意されていません。だからといって商品性に問題があるわけではありませんので、就業不能保障が必要なければ候補にすることはまったく問題ありません。

    保険料払込免除特則については不慮の事故を原因として、その事故の日から180日以内に所定の身体障害の状態に該当するか、悪性新生物と診断確定されたり、急性心筋梗塞や脳卒中で所定の状態になると適用されます。ただし、急性心筋梗塞と脳卒中の認定基準が厳しいのでこの点は注意してください。

    なお「年金月額上乗特約」というものがありますが、これが少しわかりにくいです。保険期間中によりお金がかかると思われる一時期だけ、特約をつけて年金を多く受給できるようにすることが目的ではないかと考えられます。

  • アクサダイレクトの収入保障2(アクサダイレクト生命)約款はこちら
  • 健康体料率:なし
    最低保証期間:あり(2年または5年から選択)
    就業不能保障:なし

    アクサダイレクト生命の「収入保障2」はシンプルな収入保障保険です。健康体料率もなければ就業不能保障もありません。もちろんシンプルだからダメな保険ということではありません。

    保険料の払込免除については、所定の不慮の事故による傷害を直接の原因として、その事故の日からその日を含めて180日以内に所定の障害状態に該当したときのみです。所定の障害状態とはおおむね障害年金1級の認定条件と同程度と考えてください。

  • マイディアレスト(メットライフ生命)約款はこちら
  • 健康体料率:あり(過去2年以内の喫煙歴)
    最低保証期間:あり(2年、5年、10年から選択)
    就業不能保障:三大疾病給付金、障害月払給付金

    タバコを吸わない人の保険料は安くなりますが、他の保険会社が過去1年以内を基準としていることが多いのに対し、マイディアレストでは過去2年以内となっている点に注意してください。

    三大疾病給付金は悪性新生物と診断確定されること(責任開始から91日目以降)、心疾患または脳血管疾患で所定の手術を受けるか治療を目的とした継続20日以上の入院をすると、3大疾病月払給付金を受け取れます。ただし、支払期間は支払開始から2年間です。

    障害月払給付金は、高度障害状態に該当するか、所定の障害状態に該当すると受け取れます。基準は高度障害状態よりもやや緩い程度ですが、それでも厳しい基準です。

    三大疾病給付金や障害月払給付金をつけるかどうかは契約のときに「型」として選択できます。Ⅰ型~Ⅴ型まであります。死亡保障・高度障害保障に無事故給付金をつけるタイプもあります。

  • ねおdeしゅうほ(ネオファースト生命)約款はこちら
  • 健康体料率:あり(過去1年以内の喫煙歴、BMI、血圧、GOT(40歳以上のみ))
    最低保証期間:あり(2年または5年から選択)
    就業不能保障:特定疾病収入保障年金

    「ねおdeしゅうほ」は健康体料率があるので健康なら保険料が安くなります。健康体料率の適用については、一般的にはBMI、血圧、過去1年以内の喫煙が問われるのですが、「ねおdeしゅうほ」の場合はこれに加えて血液中のGOT値(40歳以上のみ)も基準とされます。

    また、特定疾病収入保障特則をつけた場合は悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中で所定の状態になると年金を受け取ることができます。

    悪性新生物については上皮内がんと悪性黒色腫以外の皮膚がんが対象外となっています。急性心筋梗塞については30日以上の労働の制限か、手術を受けたときです。脳卒中は30日以上、神経学的後遺症が継続するか、手術を受けたときが対象です。

  • メディフィット収入保障(メディケア生命)約款はこちら
  • 健康体料率:あり(BMI、血圧、過去1年以内の喫煙歴)
    最低保証期間:(2年または5年)
    就業不能保障:なし

    「メディフィット収入保障」では健康体料率がありますので、BMI、血圧、喫煙の有無についての基準を満たしていれば保険料は安くなります。

    がん、急性心筋梗塞、脳卒中のいずれかで所定の状態に該当すると、以降の保険料が免除になる3大疾病保険料払込免除特約をつけることができますが、急性心筋梗塞と脳卒中については条件が厳しいので注意してください。

  • こだわり収入保障(マニュライフ生命)重要事項兼パンフレットはこちら※約款はインターネットでは開示されていません
  • 健康体料率:あり(過去1年以内の喫煙歴、血圧)
    最低保証期間:2年または5年
    就業不能保障:なし

    「こだわり収入保障」では3種類の保険料率が用意されています。過去1年以内の喫煙の有無と血圧を基準にして適用される保険料率が変わるので、健康体なら保険料が30%程度、安くなることもあります。

    特定疾病で所定の状態になると保険の払込が免除されます。特定疾病とは悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中の3つです。ただし、悪性新生物については皮膚の悪性黒色腫を除く皮膚がんは対象外ですし、急性心筋梗塞と脳卒中については条件が厳しく、保険料免除の対象となる可能性が低いので注意してください。

  • 家計にやさしい収入保障(T&Dフィナンシャル生命)約款はこちら
  • 健康体料率:あり(過去1年間の喫煙状況、BMI、血圧)
    最低保証期間:1年、2年、5年から選択
    就業不能保障:特定疾病年金、特定疾病一時金・上皮内がん診断一時金

    「特定疾病収入保障特則」と「特定疾病一時金特約」の2つがあります。特定疾病年金については有期年金と確定年金の2種類から選択できます。有期年金は保険期間内で生存している限り受け取れます。確定年金は1年または5年のうち契約時に選択した期間となります。特定疾病一時金特約をつけた場合は条件を満たすと特定疾病一時金と上皮内がん診断一時金を受け取ることができます。

    「特定疾病で所定の状態」は、悪性新生物と診断確定すること、急性心筋梗塞で手術を受けるか20日以上の入院、脳卒中で手術を受けるか20日以上の入院をすることが条件です。なお、特則は契約すると外せませんが、特約は契約後に外すことができます。

  • FWD収入保障(FWD富士生命)約款はこちら
  • 健康体料率:あり(過去1年以内の喫煙歴、BMI、血圧)
    最低保証期間:2年、3年、5年、10年から選択
    就業不能保障:障害年金、介護年金

    「生活支援特則」をつけると身体障害者手帳(1~4級)が交付されたとき、公的介護保険制度の要介護1以上に認定されると年金が受け取れ、以降の保険料の払込が免除されます。障害者手帳の等級認定は申請から1カ月程度で交付されることが多く、条件を満たせば早く年金を受け取れるというのがメリットです。

    なお、「配偶者同時災害死亡時割増特則」という珍しい特則がありますが、つける人がいるのかどうか疑問に感じます。

  • 家族収入保険(ソニー生命)約款はこちら
  • 健康体料率:あり(過去1年以内の喫煙歴、血圧、BMI、尿検査)
    最低保証期間:2年または5年
    就業不能保障:障害年金、介護年金

    家族収入保険では、所定の身体障害状態に該当したときや介護状態に該当すると障害年金または介護年金が受け取れます。

    障害年金は高度障害状態に該当した場合のほか、身体障害者手帳(1級~3級)が交付された場合も該当します。介護年金については会社所定の要介護状態が180日以上継続するか、公的介護保険の要介護2以上に該当すると受け取れます。